4分間のピアニスト

映画を観ていると、主人公に感情移入できる場合と、できない場合がある。「できない」と言うとなんかアレだけど、「しにくい」と言う感じ。


感情移入しやすい映画は、たとえば、ダイ・ハードとか、007 シリーズとか。感情移入しにくい映画は、なんだろう……。あまり思いつかないけど。イレイザーヘッドみたいな、リンチ系とか。


複数の登場人物のうち、どっちに感情移入したらいいのか迷うような映画もある。「あれ?、実はこの人も悪者の一味?」。サスペンス系。


でも、サスペンス系の映画は、作っている側の人が「『どっちに感情移入したらいいのだろう?』と迷わせよう」と、わざと作っているのが伝わってくるので、映画を観ている側では、迷うこと自体が映画の面白さだ。


さらに難しい映画になると(あるいは、うまく作られていない映画だと)、本当に迷ったり、困ってしまうことがある。観ているのがつらくなることもある。テレビで見ている場合は、CM が入ったタイミングでほかのチャンネルに変えちゃう。


そこまでヒドイ作りではない場合は、とりあえず観続けながら「この映画を作った人は、どっちに感情移入させたいのだろう?」と、思ったりすることもある。心が一段、メタな階段を上がる。上がらされる。


4分間のピアニスト [DVD]

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この「4分間のピアニスト」という映画が、どの場合に相当するのかよくわからない。


観てて思ったことは、こうだ。「あぁ、私がこの映画を TSUTAYA で借りることを決めたのは、ジャケットのセクシーな女性の姿に惹かれたせいだ」。(2段くらい、メタ階段を上がっちゃいましたぁ。)

追記

ほかの人がこの映画をどう観ているのか調べてて、面白かったやつ。以下、ネタバレ風味。

久しぶりに登場人物の誰にも感情移入できない映画を見た気がする。

4分間のピアニスト」を観てきた - ゆらり ゆらめき
http://d.hatena.ne.jp/cloudy3/20080203/p1


なるほど。そうとも言える。

この終盤に感じる違和感は,鴨料理を食べに行ったつもりが,肉厚のビーフステーキが出てきたような場違いな印象を与える.

映画「4分間のピアニスト」 - まどぎわ通信
http://d.hatena.ne.jp/madogiwa2/20071121/


うはははww。確かに。(「まどぎわ通信」さんも、この映画の感情移入の direction について書いていらっしゃいます。)

それがちょっとねぇ〜〜〜
共感できなくてねぇ〜〜〜
華麗にシューマン弾いてほしかった。

映画『4分間のピアニスト』 - 春雨堂の密室
http://d.hatena.ne.jp/harusamedou/20071206/1196936722


そうそうそう!。


そこが、なんかのだめカンタービレとはぜんぜん違うんだよなぁ。日本のテレビドラマとドイツ映画だから、初めから全然別物だけどさ。

4点。