生きれや!ばか

ナイロビの蜂 [DVD]

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感想は「生きれや!ばか」。

あぁ、なんか、この時点でもうネタバレしちゃってる感じもするけれど、うーん、ごめん。ここから下もネタバレは気にせず書きますのでそのつもりで。

ここ数日、『セルピコ』とか『真実の瞬間』とか、腐っている組織や社会の中で主人公がモガいてアガいて……、みたいな映画を立て続けに観ているのだけど、『ナイロビの蜂』はなんか萎えた。(そもそもそういう種類の映画だとは一概には言えない映画なのだけどさ。)

「生きれや!」って思った私自身、その言葉をジャスティンに言いたいのか、それともこの映画の監督だか原作者だかに「生かせろや!」言いたいのかよく分かってない。もしかするとこの「生きれや!」という言葉を吐きたくなる感じ・嫌な感じは、ジャスティンでも監督でも原作者でもなく、現在の地球の社会全体のあり様に向けるべきというか、あり様から来るものなのかも……。とほほ。

決して私はこの映画をけなしたいわけではない。映画の作り手が現代の世界のありように誠実に向き合えば向き合うほど、「とほほ」な感じに仕上がってしまうってことがあるのかもしれないなぁ、と思った。

結局、自分の奥さんを殺されるまで立ち上がろうとしなかったジャスティンは私か。大切なものを失ってから現実を直視してみたものの、水があるんだか無いんだかわからない湖のほとりに追い詰められてしまうのは私か。

正直、ピストル持ってあそこに一人で行った時点で、私は「あぁ、あだ討ちするんだな」と思ってしまったわけですよ。ところが、やって来たトラックの荷台の上にいる派遣アルバイトの人数が 6 人位だったので、あたしゃ「えぇ!?ピストル 1 個で 6 人相手すんの!?」ってなってしまって、それを見た夫・ジャスティンが「えぇ!?ピストル 1 個で 6 人相手すんの!?」って表情にならないので、更に私は「えぇ!?」ってなっちゃった……。なんだよ、最初っから死ぬつもりかい。

まあ、そこでジャスティンが悪に立ち向かって、バンバン悪者を倒して「世界は平和になりました」みたいのだと、不謹慎の極(きょく)みたいな映画になっちゃうか。北の製薬会社が南の貧困国で好き勝手やってるのは多分事実だろうし。

一時期、黒柳徹子

一時期、黒柳徹子がアフリカの飢えた子供たちといっしょにテレビに映ってるのを見て「けっ!売名(ry」って思ってたけど、今にして思えばそれなりにアフリカの惨状を伝える役割を果たしてたかもなぁ、と思う。

最近あまりああいう映像(栄養失調で腹が突き出た子供が座りこんで顔の周りにハエがたかっているような映像)を見なくなったけど、今は当時から比べて更に飢餓と貧困が進んじゃってるらしい。特にサハラ砂漠より南側。

貧困と紛争と AIDS が広がりすぎて、日本のジャーナリストは怖くてあんまり行ってないのかな。

とりあえずこの『ナイロビの蜂』を見て、「アフリカのこともちょっとは思い出せよな」と言われた気がした。

参考

ナイロビ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%93

ナイロビ

ナイロビは、ケニア共和国の首都で最大の都市。人口は約200万人。赤道に近いが標高約1600mに位置し気候は比較的冷涼である。主要な言語は、スワヒリ語と英語。ナイロビ(Nairobi)という名前は、マサイ語で「冷たい水」を意味する Ewaso Nyirobi に由来する。

東アフリカ、あるいは広くサハラ以南のアフリカ(サブサハラ)の中心的都市として、国連環境計画(UNEP)はじめ多くの国際機関が本部あるいはアフリカの代表部などを置く。日本の諸組織も、ナイロビか南アフリカヨハネスブルグにその機能をおくことが多い。

ミレニアム開発目標報告 2005 - 国連広報センター
http://www.unic.or.jp/pdf/MDG_Report_2005.pdf

1 日1 ドル未満で暮らす人々の割合、1990 年と2001 年の比較

1990 年代を通じ、極端な貧困はアジアの大半で減少、ラテンアメリカで微減、北アフリカ西アジアでほぼ不変、経済体制移行国では上昇を経て低下となった。しかし、すでに貧困率が世界最高となっていたサハラ以南アフリカでは、状況がさらに悪化し、さらに数百万人が極端な貧困に陥った。

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