変な日曜日
変な日曜日 (1)
昼過ぎにラジオ NHK-AM 第 1 放送を聞きながら PC に向かっていると、なにか変な感じがしてきた。いつもと違う。
まず、すごく寒い。とりあえず石油ストーブのスイッチをいれる。部屋は暖かくなるが、いつもと何かが違う感じは消えない。
ラジオは NHK-AM 第 1 放送なのに、音楽ばかりを流し続けている。時々アナウンサーが出てきて喋ってはいるが、それにしても音楽の割合が多すぎる。
「あれ?、 FM を聴いてたんだっけ?」と何度か感じてしまって、逆に気が散る。NHK-AM 第 1 放送には、だいたいずっと何かを喋り続けてもらわないと困る。
妙な感じは消えない。目がチカチカしてきて、何度もディスプレイのコントラストを調整してみる。カーテンをしっかり閉めて、部屋の蛍光灯のスイッチをいれてみる。kterm のバックグラウンドカラーのオプションを変えて起動し直してみる。kterm -bg lightgray &
。kterm -bg gray &
。ええい、kterm -rv &
。
脳みその中に血流を感じる。耳鳴りに似たようなちょっとヤバい感じだ。その音をじっと耳を澄ますと、音はどんどん大きくなる。音に飲み込まれそうになって急に恐くなった。首を振ってみる。身体を動かしてみる。目を見開いて、頭を上げて天井を見上げ、こんどは頭を下げて自分の腹を見て、首を回してみる。 (でも、両手の人差し指の先っちょは、それぞれ "F" と "J" のキーを感じている。)
耳鳴りはすぐに収まった。
ほっとして目を閉じると、突然、空が「ごごごごごごう」と鳴った。雷か?
変な日曜日 (2)
mk とタイプして TAB を押すと、シェルは mk で始まるコマンド一覧を表示する。その中に、mksource という見慣れないコマンドを発見する。
% jman mksource No manual entry for mksource
妙だ。
とりあえず実行してみる。root じゃあないんだから多分大丈夫だろう。消されたらマズいものはないか、カレントディレクトリも確認して……。
いや、違う!それじゃダメだ!それは危険だ。
きっとこうだろう。
% which mksource /home/peanutsjamjam/bin/mksource
ん?
実行ファイルは、自分の個人用ディレクトリの中にある。
あああ!思い出してきた。
ls -l コマンドで ~/bin ディレクトリを確認する。4 日前に自分で作ったコマンドだった。
変な日曜日 (3)
実行してみる。私には、危険性は無いはずだという自信がある。
% mksource usage: mksource [ -c | -h ] name
両方のオプションを同時に指定して、もう一度ためしてみる。
% mksource -ch foobar creating 'foobar.c'. creating 'foobar.h'.
作成されたファイルの内容を表示してみる。
% cat foobar.c /* foobar.c */ #include "foobar.h"
なるほど。
#include <stdio.h> も入れといてくれたらもっとありがたいのに。
もう一つのファイルも表示してみる。
% cat foobar.h /* foobar.h */ #ifndef _FOOBAR_H_ #define _FOOBAR_H_ #endif /* _FOOBAR_H_ */
ふぅん。
カーテンを開けると雪がうっすらと積もっていた。辺りは真っ白だ。電信柱を繋ぐ黒い電線の上に、小さく、こんもりと白い雪が積もっていて、コントラストが面白い。
さっきの空の音は、屋根に積もった雪が滑り落ちていく音だった。それが空が鳴ったように聞こえたのだった。内地では雨で高校野球がつぶれたようだ。それで NHK は音楽ばかりを流していたらしい。