小泉の発言とその報道。国旗・国歌問題。

関連記事

peanutsjamjamの日記 - まずは自分から始めたらいかが?国旗・国歌問題
http://d.hatena.ne.jp/peanutsjamjam/20060926/p3

小泉の発言とその報道。国旗・国歌問題。

はてなダイアリーのトップページにある「注目の記事」の欄に「こんなことよく言えるものだ」という記事へのリンクが載っていた。

記事では、Yahoo!ニュースが伝えた毎日新聞の記事が載っているのだけれど、そこでの小泉首相の発言が、なんだかさっきテレビで見た時の小泉首相の発言とは微妙に違うような気がして、調べてみた。すると、朝日新聞のサイトが「国旗や国歌に敬意「法律以前の問題」 判決で小泉首相」という記事で、もう、ほんのちょっとだけど長く、小泉首相の発言を記していた。その部分を強調して引用してみる。

「法律以前の問題じゃないですかね、人間として国旗や国歌に敬意を表するのは。人格、人柄、礼儀の問題とか(だと思う)」

「でしょうかね」(毎日)と「ですかね」(朝日)という細かい違いもあり、同じ発言でも、記事になると微妙に違ってくる。
「こんなことよく言えるものだ」という記事を書いた id:kaikai00 さんは、この小泉首相の発言について「この発言は、法律などどうでも良いと言っているのと等しいものだと思うのですが。」と言っているのだけど、私は、そこまで小泉さんの心の中を読んであげなくてもいいのになぁと思った。

確かに小泉はそう考えているかもしれない。「公約なんて守らなくてもたいしたことはない」と言い切ったことのある男だ。ありうる。でも、この発言で小泉を問い詰めたとしても、きっと小泉は逃げてしまうんじゃないかと思う。
例えば、こんなふうに。
「ええ私はそう言いましたよ。私が言ったのは法律以前の問題だ。法律の問題じゃない。私は、人格、人柄、礼儀の問題を言ったんだ。最近はそういうことに関してなってない人が多いと思うね。でも、人格、人柄、礼儀に問題があるからといって、法律でどうこうすべき問題じゃないけどね」と。

小泉は、話題を微妙にずらしたのだと思う。この発言を引き出したジャーナリストがどのような質問をしたのかは分からないけれど、先の小泉の発言は、小泉の心の中を深読みでもしなければ、怒る事すら難しいものなのだ。

インタービューの際に小泉が「法律以前の問題じゃないですかね・・・・・・」という答えをした時点で、ジャーナリストはもう一度問い質すべきだったのだ。

例えば、こんなふうに。
「お聞きしたかったのは、法律以前の問題ではなく法律の問題です。お聞きしたかったのは、人格、人柄、礼儀の問題ではありません。或る人格、或る人柄、或る礼儀のわきまえ方をしている教師に対しての法律のあり方、司法のあり方をお聞きしたのです。国旗を前にして起立をしないような非人格者の教師。国歌斉唱の際に座ったままでいるようなスバラシイお人柄の教師。生徒らに対して『起立しない自由もある』なんてことを教えてしまう、国家に対しての礼儀をわきまえない教師。我々が持っている法律は、そのようなケシカラン教師たちを処罰し、教育現場から排除できるハズのものだったのではないのでしょうか。わが国の法は、そのような機能を持つ立派なものであると私は信じていますが、その意図を汲み取る能力の無い難波孝一裁判長は、ケシカランですよね?」と。

まず私たちが怒るべき相手は、「判決が出ましたが」とか、「どうでしょう?」等と、いくらでも曖昧に、ごまかせるような質問しかしないマスコミなんじゃないだろうか。

「すばらしい試合でした!」と言われて、「はい。・・・・・・。で?」と、逆に聞き返し、「それがまともな日本語の質問か?お前本当にプロのジャーナリストなのか?」と今にも言い出しそうだったサッカー選手が懐かしい。

参考文献・リンク

今日行く審議会@はてな - こんなことよく言えるものだ
http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20060921/1158847755
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <国旗国歌>小泉首相違憲判決に疑問
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060921-00000137-mai-pol
asahi.com:国旗や国歌に敬意「法律以前の問題」 判決で小泉首相
http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200609210382.html
asahi.com:式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200609210287.html
入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr031023s.htm
「国旗・国歌実施指針」に基づく教職員処分等に関する意見
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/toukyou-benngosikai-ikenn.htm
東京都教育委員会の「国旗掲揚・国歌斉唱」の通達等についての会長声明
http://niben.jp/13data/2005data/seimei20050228.html

判例はまだ up されていないみたいです。

裁判所
http://www.courts.go.jp/

9月24日追加

この記事にちょろっと触れている記事を捕捉したので追記。

perish the thought! - 見出しは内容が一目でわかるようにつけてくれると嬉しいな
http://d.hatena.ne.jp/makato/20060922#p1

9月26日追加

20060921判決要旨 News for the people in Japan
http://www.news-pj.net/news/20060921.html

要旨でなく、全文の pdf とかについては、「愛・蔵太の少し調べて書く日記」の9月28日のところにバシッと載ってます。

愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 東京地裁の「国旗・国歌強制」違法・違憲判決の全文
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060928/kokki

OCR で活字に起こしたものなのか、News for the people in Japan に載っている要旨の「第1 事実の概要」の最後の部分、「……と主張して,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料各3方円の支払を求めた事実である。」ってなってます。「3方円」って。(笑)
PDF の方は、コピーにコピーを重ねたのだろうか、字がかすれててほとんど読めない部分もあったり。二十一世紀になってしばらく経つけれど、裁判の判決文を、デジタルな形で、判決が出てから素早く手に入れられるようには未だなっていないんだな。
だれか、この読みにくい PDF を全部プレーンテキストに打ち直して Up したら神だぞ。判決文には著作権とか無いし。→著作権法第13条。